ポルトガル原産です。中世の大西洋のポルトガル領アゾレス諸島において、とてもユニークな
犬がいました。カオ・デ・フィラ・デ・サン・ミヘルです。サン・ミヘルはアゾレス諸島の中心の
島であり、この犬の名前もサン・ミヘル島に由来します。他の牧畜犬とは異なる特質を持つ
中型犬です。1427年に探検家によってアゾレス島が発見されました。
アゾレス諸島はずっと本土と隔離され、人が住むことはありませんでした。島は緑の木々で覆われ
日光が地面に差し込まないほどでした。また哺乳類も存在しませんでした。当時ポルトガルの好奇
心旺盛なヘンリー王子(エンリケ航海王子)は航海者の養成を行い、航海者がアゾレス諸島を発見、
そして牛を島の端に放したのです。1439年までには多くの牛が生息するようになりましたが、
放し飼いであったので野性化してしまったためそれらをまとめる犬が必要となりfilaという犬が島に
やってきました。
そしてその後、このfilaは、のちのサン・ミヘルの祖先犬となったのです。そしてその後は移住者
たちによって犬がさらに持ち込まれ、サン・ミヘルが形成されていきました。1800年代には
すでに現在の容姿を持っていたようです。島で自然の中で生きてきたので素朴で果敢な性質の犬
です。一年中外にい続け群れを管理することが可能な犬なのです。頭がよく物覚えは早く、主人の
さまざまな命令を実行することができます。
乳牛を扱う場合は、その乳腺を傷つけないように追ったり群れに戻すために噛む際も軽く噛み、
すでに乳牛ではない牛は、もっと強く噛む、といったこともできる犬なのです。つまりはその牛の
機能にあわせた扱いができるのです。手のつけられない、素行の悪い牛に対しても強い態度で威圧
し群れを整えます。
この犬を理解し正しく教育すれば最高の牧畜犬、そして番犬になります。仕事を課されるのが
好きです。家庭では忠実で愛情深く家族を守ろうとします。Azores Cattle Dogという名でも呼ば
れています。ほとんどが農夫に飼われ、群れを監視し牛を追いやる役目を今なお担い、そして
家庭犬としてかわいがられています。牛の群れを管理するだけではなく、自分の家族の家、庭など
自分が守るべきと感じた領域は強い意志で守ろうとし、侵入者は近づくことができません。チラリ
と周りを見渡しすぐ異常に気がつき対処する犬です。生来「守る」という本能を強く持つ犬なの
です。中世より島で繁殖されてきたため数百年間純血を保っていました。
近代化に伴い次第に門戸が開かれていき、1980年代からこの犬の公式な登録が始まっていき、
島から陸へと犬たちも渡っていったのです。そしてとりわけ希少性と歴史に注目が集まりこの犬の
純血性を守ろうとする動きが強まっていきました。北アメリカではほとんど知られてはいませんが、
近年愛犬家たちの間でこの犬への関心が盛り上がりこの希少で有能な犬を知らせたいと思う人たち
がいます。牛追い犬なので、たくさんの運動が必要です。
長い時間の散歩が毎日必要ですし、走ったり、遊んだりするのが大好きです。発達した胴体と足を
持ち角ばった頭と大変強い顎を持ち、表情豊かな茶色の瞳を持っています。毛色も独特で地の色は、
赤みを帯びた黄色やグレーや、黒と茶のミックスが多く、地の色と色が異なる細長い線が体中にう
ねるようにしてあります。必ず明るい色と暗い色の色調で、白い斑点も入ります。
尾は短く断尾されることが多いですが、この丸い耳は生まれつきのものですが、まるでぬいぐるみの
ような丸みのある耳です。労働力としての犬で、家庭犬としてのみ飼うには向きません。
オスは50〜61センチ、33〜36キロ メスは48〜58センチ 29〜32キロです。
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